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シックハウスに負けない家づくり

住む人の生活に影響を及ぼすシックハウス症候群。その対策をいくつか紹介しましょう。

1.まずは生活環境の点検からはじめよう

「自分自身でつくり出した悪魔の姿が、見分けられなくなってしまったとは!」

これはアルベルト・シュバイツァー博士の言葉。まさに現代社会の光と影を衝いた言葉といえます。

20 世紀をともに歩んできた科学者や発明家、あるいは企業によって生み出された便利な社会。それを支える化学製品がシックハウス症候群という悲劇を招き、今日の私たちを苦しめるようになるとは……。

地球上の目に見えない空気環境が、化学物質によってどう汚染されているか。多忙に暮らす人々にとっては、関心のないことかもしれません。しかし、あなたの目の前にいる大切な家族や友人が、アトピー性皮膚炎で苦しんだり、頭痛が続いたり、キレたりしたら、これはなんらかの危険信号を発していると、しっかり認識してください。そして、その原因となるものは何なのか、調査する必要があります。そのためには生活環境の現状を知り、点検することからはじめましょう。

2.原因となる化学物質から離れる

 病気の原因となる化学物質を特定するのはなかなか難しいので、疑わしいと思われる化学物質からできるかぎり離れるような生活をすることです。実際、この方法でかなりの治療効果が得られています。原因物質が絞り込まれれば、アレルギーと同じような治療方法がとれます。相談窓口は下記のとおりです。

■シックハウス症候群の相談窓口

・北里研究病院臨床環境医学センター 03(3444)6161 「アレルギー科の予約」と伝えると転送される。

・シックハウス検査センター フリーダイヤル0120(568)204 室内化学物質、とくにホルムアルデヒド濃度検査測定から対策までを提案。


3.風の通りを考えて換気をするのがいちばん重要

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 現在の住まいは、進化を重ねて高気密・高断熱仕様となり、室内には、呼吸によって吐き出される二酸化炭素、ガスや石油などの燃料、タバコの煙、ペットの体臭など、不快な臭気もあふれています。こうした汚れた空気を排出し、新鮮な外気を入れるためには換気が必要です。

 換気を行い、空気の入れ換えを十分に行えば、室内でも外気と大差のない状態になります。しかし、窓の開け閉めだけだけでは室内の有害な化学物質が減少しないこともあり、建物全体にわたって換気を行う必要もあります。

 日本では冬場は結露が当たり前というような風潮がありますが、ドイツをはじめヨーロッパ各国では、結露は人の健康を害するだけでなく、建築物も傷めるとされ、結露が起きる家は欠陥住宅とされています。

 換気の重要性は、結露防止にもあります。結露はカビやダニを発生させ、アトピー性皮膚炎やぜん息を悪化させるばかりか、死をも招きます。結露防止には、家全体を均一温度にすることも大切です。





4.予防に力を注ぎ健康な体力づくり

 シックハウス症候群が増えている理由として、いくつかのことが考えられます。生活環境に化学物質があふれていること、働く環境や勉強する環境が変化し、精神的・肉体的にストレスが多くなっていること、虚弱体質になっていることなどがあげられます。

 シックハウス症候群にかからないようにするためには、予防医学の見地に立った対策が必要です。その原因となるものとの因果関係をつきとめ、空気、食品、水などに対する危機意識を持ち、生活スタイルを改善することが大切です。

 ひとたび家族の誰かが病気になれば、本人だけでなく、家族全員が影響を受けてしまいます。病院に行き、薬で治せばいいということだけでは根源的な解にはなりません。自分たちの健康のための先行投資と考えて、体質改善と十分な体力づくりをしましょう



5.天然素材を使っておいしい空気づくりを

 あなたは「おいしい空気」という言葉から、何をイメージしますか?

 高原や森の澄みきった空気、海辺や湖畔の清々しい空気……、自然とともにある新鮮な空気を思い浮かべる人は多いでしょう。

 樹木は、さわやかな香気を放ちます。これはテルペノイドという炭化水素化合物によるもので、人間の精神・神経、とくに自律神経に作用し、精神の安定と睡眠を誘う効果があるといわれています。さらに、生きた木は、酸素とマイナスイオンを供給してくれます。

 マイナスイオンは、湿った土や木、草木から水分が蒸発するときや、滝や川、海辺など水のある場所に大量に発生されています。また、無垢材や木炭などの天然素材からもマイナスイオンは発生し、風通しのよい家では空気の移動による風がマイナスイオンを運ぶとされています。

 空気のビタミンともいわれるマイナスイオンは、空気中に浮遊する有害物質を取り除き、空気を清浄化する効果があると期待されています。

 人の体はたくさんの細胞からできています。マイナスイオンとプラスイオンの電位差によって細胞内の老廃物は取り除かれるので、日ごろプラスイオンに囲まれて生活している現代人には、マイナスイオンは不可欠です。

 ぜひとも天然素材を多用し、おいしい空気が発生する家づくりをしていただきたいものです。わが家にいながら森林浴ができるというのは、最高の贅沢でもあります。

 生きている木を使った住宅は、私たちに大きな恵みをもたらし、地球環境のためにもなります。

家の中に潜むアレルゲン


ダニ ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニが主

昆虫 ゴキブリ、シロアリ、コクゾウ、ガ、イエバエ、ネズミノミほか

動物 猫、犬、ウサギ、鳥類(ハトなど)ほか

カビ クラドスポリウム、アルタナリア、アスペルギルス、カンジダ、ペニシリウム

家屋塵 ヒョウダニの糞が主で、ほかに動物の毛など

化粧品、香水など 染色剤(パラフェ二レンジアミン)、殺菌防腐剤(パラベン)、タール色素

金属 ニッケル、クロム、金(ピアス)、パラジウム、プラチナなど

植物(接触性) ヤマイモ、キウイフルーツ、ウルシ、ギンナンほか

食物(消化性) 卵、大豆、牛乳、ソバ、サバ、カキ、エビ、小麦粉ほか

皮、毛皮製品、衣類 毛皮のコート類、腕時計の皮バンド、絹製品ほか

注:アレルゲンとは、アレルギーを引き起こす要因となるもの。チタン、プラスチック、ビニール製品

*中野博著『天然素材でつくる健康住宅』より
生活上の手入れ

【乾燥】

換気……換気をすること
冷暖房機……室内が乾燥する「ドライ・送風」は主に夏期に使用する。
除湿器……留守中に使うと有効だが、人がいる間は効果が薄い。

【加熱】

電気毛布……8段階の中間レベルでも、4日でチリダニは死ぬ。
布団乾燥機……乾燥用袋が接触した部分は50℃になり、殺ダニ可能。
電気カーペット……加湿器を2つ折りにし、じゅうたんをたたみ込むと殺ダニ可能。

【除去】

掃除機……ダニ・アレルゲン除去率は50%程度が限度。
洗濯機……アレルゲン除去率は90%にもなる(糞は水溶性)。
分割布団……布団がファスナーで分割でき、洗濯可能にできている。
ぬいぐるみ……洗えるぬいぐるみがよい。

【侵入防止】

高密度繊維……ダニ・アレルゲンが侵入できないほどの繊維密度で、シーツ、カバー、布団側地、ぬいぐるみなどがあるが、市販品の一部には通気性に難がある。

【忌避】

防ダニ綿・毛布・じゅうたん……ダニを寄せつけないものがあるが、効果的な商品は少ない。

*中野博著『天然素材でつくる健康住宅』より

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